コミッショニングレターVol.16 No.6(6月号)
2019/06/14掲載
- 国際シンポジウムin京都 開催案内
- 空気調和・衛生工学会シンポジウム(東京)開催案内
- 建築設備Cx標準報酬基準2019年版同パンフレット意見公募
- 第15期通常総会 開催報告
- 「京都駅ビル熱源・空調省エネ改修」空衛学会特別賞 受賞報告
国際シンポジウムin京都 開催案内
国際シンポジウム「ZEB時代の建築環境性能達成プロセスとは 〜 コミッショニングを軸として 〜」を下記の通り開催いたします。
本シンポジウムでは、実際にコミッショニングを実施している専門家を海外・国内から招き、高い性能が要求される建築物について、どのようにその性能を達成したか(どのように発注者の要求を具体化し、コミッショニング計画を立案して、機能性能試験を実施したか)を解説していただき、要求された性能を確実に達成するための建築環境設計・施工プロセスの在り方について議論を行います。
日 時 2019年9月30日(月)11:00~18:10(受付10:30~)
場 所 京都大学 百周年時計台記念館 国際交流第一ホール
(京都市左京区吉田本町)
◆ 定員
80名(先着順)
◆ 参加費
会員 25,000円(賛助会員枠は各社3名まで)
一般 30,000円(学生は3,000円)
(お申込みフォームでお申し込み後、参加費をメールにてご請求致しますので、お振込みよろしくお願い申し上げます。ご入金確認後、領収証を発行致します。)
◆技術交流会
会費 3,000円(予定)
◆ 主催
建築設備コミッショニング協会
◆ 参加申込
下記ホームページのよりお申込み下さい。
http://www.bsca.or.jp/event/?p=1167
空気調和・衛生工学会シンポジウム(東京)開催案内
空気調和・衛生工学会のコミッショニング委員会は、建築設備コミッショニング協会(BSCA)と協働して、日本社会に適用するコミッショニング(Cx)のあり方について先進的な研究を展開し、研究ベースの多くのCx事例を蓄積するとともに、様々な普及活動に努めてきました。ここ数年は、BSCAがCxの具体的なプロセスを規定した「建築設備コミッショニングマニュアル」を発刊し、前身のCx委員会では、熱源・空調システムの代表的なシステムを対象とした機能性能試験の標準仕様書の作成や、Cx業務遂行上の難点となっているデータ整理・分析業務の省力化のためのツール開発を行うなど、Cxを実践的に行うための有用なドキュメントやツールを整備してきました。
空気調和・衛生工学会のCx委員会では、標準的な熱源・空調システムに続いて個別分散空調システムやZEB(Zero Energy Building)を成立させる各種サブシステムの機能性能試験仕様書の整備や、より機能を充実させたデータ処理ツールの開発といった前身Cx委員会の成果を深化させる活動に加え、Cx普及活動の一環として、建物所有者・設計者・施工者にCxの有効性を提示することを意識したCx導入効果に関するヒアリングを実施しました。今回のシンポジウムでは、これらの成果の概要を発表するとともに、総合討論では参加の皆様からも建設的なコメントをいただき、成果をより充実したものにしたいと考えております。
開催日:2019年7月3日(水) 13:00~18:20(受付12:30~)
開催場所:工学院大学・アーバンテックホール
(〒163-8677 東京都新宿区西新宿1-24-2 工学院大学3階)
参加費:空気調和衛生工学会会員4,000円 一般6,000円、学生2,000円
定員:100名
お申込みは下記の空気調和衛生工学会のホームページよりお願いします。
http://www.shasej.org/base.html?bosyu/1905/symposium20190703/symposium20190703.html
建築設備Cx標準報酬基準2019年版同パンフレット意見公募
経済産業省の補助事業採択の加点要素への組込みや長崎県による機能性能試験業務発注などが実施されたことにより、コミッショニングに関心を持つ建物オーナーが増加しています。しかし、一方では、コミッショニング業務の費用が未知なため発注しにくいという状況にあります。そこで、当協会では、発注者がコミッショニング業務の予算化をする上で参考となるよう、当協会としての建築設備に対するコミッショニングの標準報酬基準を作成するためのWGを立ち上げました。
今般、WGがとりまとめた「建築設備コミッショニング標準報酬基準2019年版」と同内容を解説する「パンフレット」を公開し、内容の妥当性や記載内容について多くの方々にご確認いただくことが有効と判断いたしました。
つきましては、皆様のご意見を募集いたします。詳細は当協会のホームページの会員ニュース(下記URL)でご確認ください。
1.意見公募対象
① 建築設備コミッショニング標準報酬基準2019年版
② 同上 パンフレット
2. 資料の入手方法並びに意見提出方法
当協会のホームページ下記URLをクリックし資料を閲覧してください。
http://www.bsca.or.jp/members/news/?act=detl&id=35
注)資料閲覧にはパスワードが必要となります。パスワードは会員の皆様に別途メールにて連絡させて頂く予定です。
3.提出期限
2019年7月12日(金)
第15期通常総会 開催報告
BSCAの第15期通常総会と講演会および技術交流会が下記の通り開催されました。
日 時 2019年5月27日(月)13:30~(受付13:00~)
場 所 中央大学 駿河台記念館 285号室 (2階)
(東京都千代田区神田駿河台3-11-5)
◆ プログラム
総 会 13:30~14:30
講演会 15:00~16:45
技術交流会 17:00~19:00
◆ 総会概要
第15期総会は正会員222名のうち、総会出席者37名、委任状60名の合計97名で定足数を満たしており、適法に成立しました。その後、以下の議案の審議がなされ、満場一致ですべての議案が議決されました。
議案の詳細内容はホームページ上に総会資料を掲載しておりますので、下記URLよりダウンロードしてご覧下さい。
http://www.bsca.or.jp/event/?p=1143
第1号議案「第15期事業報告及び収支決算に関する事項」
下記のように事業についての報告と収支決算報告、ならびに監査報告がありました。
・人材育成事業として、CxPE・TEの資格保有者数の拡充を図り、CxPE資格研修会を大阪で開催した。CxTEに関しては、一昨年の四国での開催に引き続き、東京、関西以外の地域での講習会開催を計画し、福岡と札幌で行った。
・性能検証普及事業では、コミッショニングレターをWeb上のレターに移行するため、ホームページの改変作業を行った。
・調査研究・技術支援事業では、ビジネス展開と技術開発・研究の両面から米国のコミッショニング実情を調査するツアーを企画した。全米コミッショニング協会の大会(ナッシュビル)への参加と京都駅プロジェクトに関する発表のほか、NIST米国建築研究所(ワシントンD.C.)、コミッショニング事業に特化した事業を行っている事務所を訪問し様々な意見交換を行った。その成果はシンポジウムで公表した。また、コミッショニングの研究および実務を担う次世代の若手研究者・実務者を養成するため、「次世代のコミッショニングを担う若手研究者・実務者による交流会」を開催した。
・基準制定・検証事業では、Cx費用ガイドライン検討WGによるコミッショニング事業フィーのガイドライン作成作業をほぼ終了した。また、先導的なコミッショニング事業の受託を行い社会への広がりを進めてきた。これらの事業をシンポジウムの開催や他の協会と連携した共催・共催事業を通じてコミッショニングの発展に寄与してきた。
これらの事業執行に対する収支決算報告がなされた後、適切に処理されているという監査報告があり、本議案が承認されました。
第2号議案「第16期事業計画(案)及び予算(案)に関する事項」
まず、下記のような第16期の事業計画案が説明されました。
・人材育成事業では、建築設備コミッショニングマニュアルの改訂や試験制度の再整備のためCxPE資格研修会を見送り、CxTE講習会を仙台、名古屋、岡山といった地域での開催の検討をしている。また、9月には国際シンポジウムを開催し、コミッショニングのISO化を見据えて、国内と共に米国、中国、カナダから講師を招きコミッショニングとZEB化について討議する計画である。
・性能検証普及事業では、レターの配信を先期に整備したWeb上に集約する。当協会会員や関連学協会会員・一般市民を対象としたコミッショニングプロセスおよびコミッショニング技術の普及広報活動を進める。様々な団体との懇談を行い、コミッショニングが進展するための方策について意見交換を行う。
・調査研究・技術支援事業では、全米コミッショニング協会大会(シカゴ)への参加者に対し資金を援助し、米国のコミッショニング実情調査を実施する。また、台湾とコミッショニングに関する交流を行い、海外との情報交換を強化していく計画である。
・基準制定・検証事業では、Cx費用ガイドライン検討WGにより作成されたコミッショニング事業フィーのガイドラインを公表し、事業が社会に広がるよう支援する。昨年同様、国交省からの要請を受け、機能性能試験をZEBなどの建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)申請に組み込むための研究開発プロジェクトに委員を派遣し活動する。また、先導となるコミッショニング事業を受託し、その有効性を様々な手法で社会に広めながら課題の抽出、技術の開発に努め、その成果を公表して社会に還元する。
上記の事業計画案の説明の後、その予算についても説明がなされ、これらが承認されました。
◆ 講演会概要
新たなエネルギーネットワークが実現される社会に対する技術者の関わり方について、各講演で下記のように議論がなされました。
なお資料は会員限定で協会ホームページ(http://www.bsca.or.jp/event/?p=1143)に掲載しております。
講演1「DR・VPPの取り組みと課題」
石井 英雄氏(早稲田大学 スマート社会技術融合研究機構 研究院教授)
[講演内容]
以下の項目についてご講演頂きました。
1. 電力システムの世界的な潮流と顕在化する特徴
2. 国内の動向
ディマンドリスポンス(DR)、バーチャルパワープラント(VPP)
アグリゲーション、電力システム改革と市場整備、実証事業
3. 今後の課題
講演2「環境建築・実現に向けての課題と設備技術者の役割」
柳井 崇氏 (日本設計 常務執行役員 環境技術担当)
[講演内容]
以下の項目についてご講演頂きました。
1. エネルギー
2. マルチベネフィット
3. 設計の視点
4. 技術者の役割
◆ 技術交流会
技術交流会では、理事長の挨拶から始まり来賓の方のご挨拶、新CxPEから代表の本地川様からの挨拶がありました。歓談では活発な意見交換がなされました。
「京都駅ビル熱源・空調省エネ改修」空衛学会特別賞 受賞報告
このたび当協会が先導的Cx事業として関ってきた京都駅ビル熱源・空調設備省エネ改修工事が、令和元年(2019年)度空気調和・衛生工学会の栄えある第7回特別賞「リニューアル賞」を受賞し、その表彰式が2019年5月10日に明治記念館にて執り行なわれましたので、以下報告致します。
【受賞の概要】
第7回特別賞リニューアル賞:1件
業績名:コミッショニングで100年建築を目指す-京都駅ビル熱源・空調設備省エネ改修-
受賞者(社)
・検証:NPO法人 建築設備コミッショニング協会
・企画:京都駅ビル開発㈱
・設計:日建設計大阪
・施工:高砂熱学工業㈱大阪支店
【表彰式の概要】
表彰式会場には発注者である京都駅ビル開発㈱の高浦様はじめ、受賞各社の関係者も多数参集しており、代表して吉田理事長が登壇し、田辺会長より賞状を授与されるとともに受賞の謝辞を述べられました。謝辞のなかで、吉田理事長はCxについて、特にオーナーのCxへの理解そしてCx管理チームと管理運用、設計、施工のメンバー間の良好なコミニュケーションによるWin-Winの関係を構築してプロジェクトを進めて行くことが重要であると述べられました。報告者である私も本Cxプロジェクトに基本設計フェーズから委員として参加しており、誠に同慶の至りであります。
なお現在、熱源・空調設備改修Cxは更なる適正化に向けて機能性能確認フェーズⅡとして継続中であり、加えて二次側改修Cx(基本計画フェーズ)、電気設備更新Cx(調査フェーズ)を実施しており、更なる成果が期待されます。また、推薦文にもあるように、本件をコミッショニングの好例として低炭素化に向けて新たなCxプロジェクトが数多く実施されることを祈念して報告を終わります。